量子bitの基礎は、難しいものではありません
量子論は難しい物理学ですが、量子コンピュータの基礎になっている量子ビット=qubit の振る舞いを理解するのは、難しいことではありません。
次の四つの「規則」に従っていると考えればいいのです。
1. Qubitは、状態 |0>と状態 |1>の「重ね合わせ」の状態を取る。|Qubit> = α|0> + β|1> ; 𝛼^2+𝛽^2 = 1 ; 𝛼, β ∈ ℂ
2. 観測を行うと、Qubitの「重ね合わせ」の状態は失われ、0か1かの情報が返る。(普通のbitが返る!)
3. この時、0を得る確率は、|𝛼|^2 で、1を得る確率は、|𝛽|^2 で、与えられる。
4. Qubitの状態 α|0> + β|1>を、ある操作で、他の状態 α'|0> + β'|1> に変化させることができる。
この四つを頭に入れるだけで、量子コンピュータの理解が、グンと深まります。四つの「規則」を図にしてみました。
一番、大事なところは、規則の二番目だと思います。要するに、Qubitの重ね合わせの情報を知りたいと思っても、観測した途端に、重ね合わせの状態は消失して、0か1かのディジタルな情報が返るだけなのです。
(じゃ、どうして「量子コンピュータ」が可能なのでしょうね? それは、とてもいい質問です。)
11/30マルレク「量子コンピュータとは何か?」では、この辺りを、わかりやすく解説します。お申し込みは、こちらから。http://peatix.com/event/322426/
12/9「紙と鉛筆で学ぶ量子情報理論基礎演習」(概要と申し込みは、こちらから:http://lab-kadokawa38.peatix.com/ )では、もう少し突っ込んで、ディラックのケット表記を導入して、エルミート演算子とその固有値、量子の状態を変化させるユニタリー演算子、ハミルトニアンと簡単なシュレジンガー方程式の話をします。
こう書くと難しそうですが、基本になるのは、高校の数学の範囲に収まる簡単なベクトル・行列の計算です。紙と鉛筆で、繰り返し具体的に計算することを通じて、少し抽象的な、先ほどの概念を理解できるようにしたいと考えています。
コメント
コメントを投稿