マリア・パポーヴァの新刊



Brain Pickingのマリア・パポーヴァの本が出るというので予約する。
kindle版がハードカバーより高い値付けになっていた。これは初めての経験。彼女のようなBlogベースで活動してきた人の読者は、ディジタルに抵抗ないんだろうなとも思う。
"Figuring" という題名の本だ。僕が、直前に買った本が "Picturing ... "という題名の本だったのが、僕には面白かった。
きっと、みんな何かを新しい角度から理解しようとし、理解したものを説明したいのだと思う。今の時代、その「何か」は、部分的・個別的なものではなく、全体的で、一見すると連関が明らかではないものだ。それは、世界が変わるという「予兆」を、感じているからだと僕は思う。
マリアはいう。
「この本は、さまざまの複雑さと多様さ、そして愛のさまざまな矛盾について語っています。また、この400年を通じて、真理と意味と超越性について人間が行ってきた探求について、歴史的な人物達がおりなした人生を通じて語っています。」
彼女が、僕には興味ふかいのは、広い教養と詩人の心を持ちながら、科学に対する愛情を失っていないということ。この本の表紙を飾っているのは、ブラックホールだ。内容も、ケプラーに始まりレイチェル・カールソンで終わるらしい。
感性と科学性の両立はとても大事なことだと僕は思っている。その点で、彼女は、新しいタイプの文化人だと思う。
ブルックリンで活動する彼女は、ブルガリア生まれだ。ハラリもそうだが、現代の文化・文明の総体を相対化するのは、「周縁」からの視点なのだと思う。
あるいは、昨日も書いたのだが、歴史の「メインストリーム」にしがみつく男性に代わって、これからますます女性の果たす役割が大きくなるということなのかもしれない。
「私は、棚の上のバナナのように売れる本を世に出すことに興味はありません。この本が、本棚に長く置かれる本になることを望んでいます。」
そうなんだ。だったら、僕もkindle版じゃなくて、ハードカバーを買ったほうがよかったんだ。ポチってしまったので、もう間に合わない。
しょうがない。今日は、バナナを買おう。

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