分数の割り算をお子さんにどう教えますか?
【 分数の割り算をお子さんにどう教えますか?】
「多様な「意味」の多様な「解釈」を、一つの枠組みで捉えることができるか?」
前回は、こう言う問いで終わったのですが、いくつかの準備なしでは、それにすぐに答えるのは難しいです。
このセミナーの目的の一つは、ことばの構成性と意味の構成性を理論的に結びつけることなのですが、今回のセッションでは、すこし、回り道をしようと思います。
まず、ある表現を、その表現とは異なる形で、その意味を解釈し理解しようとする我々の認識の働きに注目しようと思います。
それは、素朴なものですが、与えられた表現から、その表現が指し示す「意味」を取り出そうとするでプリミティブな試みとみなすことができるからです。
まだ、ことばの構成ルールを記述していないので、ここでは、その構成ルールも意味も、比較的明確な、小学生が習う算数 を例に考えてみようと思います。
2+3=5という計算を、「鉛筆二本と、定規三つで、全部で五つ」というように、具体的なものをあげて「たとえ」で説明することがあります。
前者の「2+3=5」という計算を「ルールの世界」、後者の「鉛筆二本と、定規三つで、全部で五つ」という説明を「たとえの世界」と呼ぶことにしましょう。
「たとえ」の世界は、具体的で現実的で、その世界は、我々の直観と「言葉」によって理解可能な「意味」の世界によって支えられています。
小学校の算数では、初めてであう計算の意味を、基本的には、たとえを通じて理解させます。そして、最終的には、たとえに訴えなくても計算ができるように、計算のルールを習得させることを目的としています。
本当は、ルールだけを覚えてしまえば、それでいいと言うわけではないのです。小学生の6年生になると、分数の掛け算、割り算を学びます。その「たとえ」= 説明自体なかなか難しいものです。
例えば、分数の掛け算だと、次のような例から、分母と分母を掛け、分子と分子をかければいいことが説明されます。
「1dlで4/5㎡塗れるペンキがあります。2/3dlで何㎡塗れますか。」
絵を描いて、答えが、8/15㎡になることを示してみてください。
分数の割り算 1/2 ÷ 2/3 の説明だと、出てくる例はこんな具合です。
「鉛筆が12本入ったケースと、3人で1組のグループがあります。この時、ケースの1/2をグループの2/3で分けたとします。この時、1グループあたりのケースはどれぐらいになりますか。」
こちらも、ぜひ、考えてみてください。
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