chatGPTにケチをつけたいわけではないこと
【 chatGPTにケチをつけたいわけではないこと 】
今回のセッションから、新しい内容、カテゴリー論を用いた構成的分散意味論を紹介しようと思います。
基本的な問題意識は、「文の意味は、個々の語の意味と、語から文を構成する文法規則によって構成的に決定される」という構成性の原理を文の意味論においても適用することです。
こうした、「カテゴリー論的構成的分散意味論」 Distributional Compositional Categorical Semantics をDisCoCat と呼ぶことがあります。すこしふざけた名前ですが、それは創始者のBob Coeckeのキャラクターだと思います。
Bob Coeckeが始めた「カテゴリー論的構成的分散意味論」は、この10年の間に大きく発展しました。現在では、量子コンピュータを使った自然言語処理 QNLP (Quantum Natural Language Processing) という新しい分野で、活発に研究が続けられている。
「カテゴリー論」+「量子論」が、新しい「言語の意味論」と結びつくのです。これは、とても面白いことだと思います。今回のセミナーでも、こうした流れの一端を紹介できれと思っています。
話は変わりますが、最近話題のchatGPTで少し遊んでいます。いろいろ辛口のコメントもつけているので、丸山は chatGPTにケチばかりつけているという印象を持った人もいるかもしれません。ただ、そうではないんです。
chatGPT すばらしいです。でも、「なぜ」こんなことができるのでしょう?
chatGPT ときどきへましたり、ウソをついたりしますね。でも、「なぜ」こんなことが起きるのでしょう?
この二つの「なぜ」をかんがえるといろいろ面白いので、数年前につまんなくなって戦線離脱したAIの世界に、再び興味を持ち始めています。その意味では、chatGPTに感謝です。
Mathematical Foundations for a Compositional Distributional Model of Meaning https://arxiv.org/abs/1003.4394
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