マルレク「量子コンピューティングの現状と課題」講演資料




明日(6/26)のマルレク「量子コンピューティングの現状と課題」の講演資料です。ご利用ください。https://goo.gl/wgTmPV
「はじめに」の部分です。こちらは短いですので、ご一読くださればと思います。
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はじめに
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本セミナーでは、昨年(2017年) 12月に行わた、”Quantum Computing for Business” カンファレンスでの基調講演をベースとした、物理学者 John Preskillの論文 “Quantum Computing in the NISQ era and beyond” の趣旨を紹介したいと思う。
Preskillは、当面する(5~10年の)近未来を、「NISQの時代」と特徴付ける。”NISQ”は、“Noisy Intermediate-Scale Quantum”の略である。 “Intermediate-Scale”とは、数年後に利用可能となる、量子ビット数が50から数百程度までの「中規模」の量子コンピュータのサイズを指し、“Noisy”とは、我々がそれらのqubitを、ノイズの元で不完全にしかコントロールできないことを強調している。
そうした制限ゆえに、「我々は、NISQそれ自体を、世界を変えるものだと期待すべきではない。そうではなく、それは、将来において開発されるより強力な量子技術への一歩と見なされるべきである。」と主張する。それは、現状に即した正確な見通しだと思う。
ただ、彼の講演は、カンファレンスに集まった、ビジネス・パーソン達に冷や水を浴びせることが目的だったわけではない。彼は、この論文タイトルの”NISQ era and beyond” が示すように、近未来の”NISQ era”とさらにそれを超えた未来 “beyond”のいわば「二重の見通し」を、与えているのである。
問題は、「現在」と「近い未来」、あるいは「現在」と「遠い未来」の関連を、我々がどう理解するのかということである。また、我々が、科学と技術、そして、技術とビジネスの関係を、どう考えるかということである。
いうまでもなく、「現在」が「未来」を準備し、科学は、技術とビジネスを通じて、我々の世界を大きく変える。
科学者らしい抑制した語り口だが、彼が網羅的に簡潔に紹介している「現在」の研究動向は、ビビッドなものである。現代の物理学の動向をあわせて考えると、驚くべき「未来」の「予兆」が、ある意味同時多発的に生まれていると言っていい。
この論文のもう一つの重要なメッセージは、量子コンピューティングが、その可能性を開花させる未来は必ずやってくるだろうということである。
若い世代の活躍に期待したい。

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