気候データ バックアップ プロジェクト

アメリカの科学者たちが、慌ただしい動きをしている。

アメリカのNASAを含む様々な公的機関が所有する気候データのバックアップを取ろうという動きだ。
http://math.ucr.edu/home/baez/azimuth_backup_project/

昨年12月に、トランプ当選後の政権移行チームが、気候変動を扱う全てのアメリカの公的機関に対して、地球温暖化の議論をやめるように指示を出したことがきっかけだ。

事実、トランプは、環境保護局( Environmental Protection Agency)の長官に、オクラホマの弁護士、Scott Pruitを指名した。彼は、科学者たちに、地球温暖化の拡大を「否定し続ける」ことを要求しているという。

また、トランプが内務省長官に指名したCathy McMorris Rodgersは、気候変動の問題を提起した前副大統領のAl Gore を激しく攻撃している。彼女は、「アル・ゴアの科学の成績は 'F' でしょうね」と言っているらしい。

科学者たちが恐れているのは、これまでアメリカの公的機関がネットを通じて公開してきた気候変動に関するデータが公開されなくなること。最悪、それらが削除・抹消されることだ。

先のAzimuth Climate Data Backup Projectは、次のデータのバックアップとそれに必要な資金の援助を呼びかけている。

・NASA's main database of temperature records, called GISTEMP.
・The Carbon Dioxide Information Analysis Center, called CDIAC.
・The Carbon Tracker website, a world-wide map of how carbon dioxide concentrations change with time.
・The U.S. Forest Service Climate Change Atlas.
・The National Oceanic and Atmospheric Administration (NOAA) database of sea surface temperature files.
・The NOAA Paleoclimatology Datasets.

大統領の就任式典にどれだけの人が参加したかでさえ、嘘をつく人たちだ。それは「事実」の前に、"alternative truth" という名言とともに、恥ずかしい嘘だということが明らかになったのだが。

ただ、気候変動に関する「事実」は、これまで研究機関が蓄積してきたデータの中にある。そのデータが利用できなくなれば、そうした「事実」は、なかったことになる。

科学者の中には、金と名声のために、権力に迎合するものが、必ず現れるだろう。彼らは、都合の良い "alternative truth" を作り出すだろう。

ただ、科学者の大部分は、そうはならないと、僕は信じている。

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