東田直樹「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」

東京のアパートにはテレビがないので、稚内に帰ると沢山ビデオを観る。
12月11日放送 NHKスペシャル「自閉症の君が教えてくれたこと」が、とても面白かった。
自閉症の作家、東田直樹さんを取材したドキュメンタリー。確かに、対面のコミュニケーションは難しそうだったが(紙のキーボードを使っていた)、取材側の質問が月並みで凡庸だったのに対して、彼の答えは、的確で鋭い。
彼が13歳の時に書いた「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」は、世界で30ヶ国語に翻訳されているという。https://goo.gl/BlD8no
彼は、知能の発達が遅れているとして特殊学級に入れられたのだが、知能が遅れているというのは、とんでもない誤解だ。
ただ、悲しいことに、多くの人が、コミュニケーションが取れない自閉症児が持つ知的な能力に気づかないのも事実だろう。だからこそ、自閉症児の内面を描いた彼の本が、驚きをもって世界中で読まれているのだろう。それは、自閉症児を持つ世界中の多くの親たちに、希望を与えた。素晴らしい仕事だと思う。
ビデオを見ながら、今年7月に相模原の障害者施設でおきた、大量殺人事件を思い出した。この事件、僕には、今年を象徴するもっとも重要な事件の一つなのだが、そろそろまとめが始まる、今年の「十大ニュース」に取り上げられるか、ひそかに注目している。

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