トポロジー絶縁体(2)

トポロジー絶縁体研究のきっかけになった論文をzapping。
"Z2 Topological Order and the Quantum Spin Hall Effect" http://goo.gl/TLuZOS
先行する研究として、量子Hall効果を、トポロジー的不変量であるChern数に関連付けて分類する仕事があったらしい(ごめん、しらん)。その手法を、量子スピンHall効果に適用すると、Z2次数というのが、その分類に使えるということらしい。直接には、Graphene で計算していて、もっと他にも使えそうと言っているようだ。それに答えたのが、先に紹介したMooreたちの仕事。
こちらは、ワイル粒子が潜む「ダブル・ジャイロイド」についての論文。
"The geometry of the double gyroid wire network:quantum and classical" http://goo.gl/3Oa4kY 
シリコンに二つのタイプのお互い絡みあった穴を開け、その穴(channelという)に、ナノ繊維化(nanofabrication)技術で金属あるいは半導体を流し込んだものが「ダブル・ジャイロイド」。 チャンネルは、数ナノメーターの太さしか持たないので、量子ワイアー(原子または電子を、一次元方向にしか動けないように閉じ込めたもの)として振舞うことが期待されるという。(物質としては、三次元の形をしているのに)
先の論文は、このダブル・ジャイロイドが、どのような性質を持つかについての理論なのだが、使っている数学的枠組みがすごい。K-Theoryやアラン・コンヌの「非可換幾何学(Noncommutative Geometry)」を使っている。こんな感じ。
Our study of the noncommutative geometry is motivated by one of the big early successes of the noncommutative geometry of Alain Connes. This was the description by Bellissard et al. of the quantum Hall effect [3]. It allowed to explain the integer effect in terms of the noncommutative geometric properties. .....
.....
In this geometry relevant quantities can often be expressed in terms of the K-theory of this algebra. This Abelian group captures information related to the topology or better the homotopy type of the algebra or geometric setup. These are again quantities which are stable under continuous deformations. A prime example is the Hall conductance.
これらの理論の数学的側面を説明するのは、K-Theoryや非可換幾何学を説明することなしには難しいような気がする。その上、僕は、コンヌの本を持っているのだが、てんで理解していないし。(老後の楽しみに、とっているんです)http://goo.gl/52x9mJ
まあ、それにしても、マテリアルの世界は、僕が思っていた以上に進んでいることがよくわかった。
「ワイル粒子」に、「ダブル・ジャイロイド・クリスタル」に、「トポロジー絶縁体」に、「非可換幾何」!  21世紀だな!
(2015/07/28)



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