Susskind Lectures on Youtube

以前、リンゴをかじりながら授業をしている先生をFacebookで「紹介」した。https://goo.gl/IjVG0n この人は、物理学者のSusskindで、スタンフォード大の物理の授業風景だ。

彼はスタンフォード大での物理の授業を、全て、Youtubeで公開している。素晴らしい取り組みだ。ある人が、彼のYoutubeでの全講義のリストをまとめている。https://goo.gl/K72Qhg 全部視聴したら 100時間くらいかかるだろう。

スタンフォード大も、ふとっぱらだと思ったのだが、でも、必ずしもそうではないみたいだ。他の人が、このシリーズをリストにまとめている。http://www.lecture-notes.co.uk/susskind/ 次のリストの末尾の数字は、講義数が分母で、Lecture Note が公開されているものの数が分子になっている。
  • Classical Mechanics 9/9
  • Statistical Mechanics 0/10
  • Special Relativity (Known as Quantum Entanglements Part 3) 8/8
  • Classical Field Theory (Known as Special Relativity) 0/8
  • General Relativity (Known as Einstein's Theory) 0/12
  • Cosmology 0/8
  • Quantum Entanglements (Known as Quantum Entanglements Part 1) 9/9
  • Quantum Mechanics 0/10
  • Particle Physics: Basic Concepts 0/10
  • Particle Physics: Standard Model 0/10
  • Particle Physics: Supersymmetry (Known as Supersymmetry, Grand Unifications and String Theory) 0/10
  • String Theory and M-Theory 0/10
  • Topics in String Theory 0/9


要するに、スタンフォード大はビデオの公開は許したが、ほとんどの講義について、講義テキストの公開を認めていないのだ。ビデオの公開は、Susskind本人の熱意によるものだと思う。

Youtubeを見ていると、僕は根性がないもので、すぐに眠くなってしまう。これではいけないと、Lecture Noteを探したら、見つからない。それで、このリストを見つけたという次第。Lecture Noteならzappingできるのだが、ビデオではそうもいかない。残念だ。

でも内容は面白い。僕は、Statistical MechanicsとQuantum Entanglementsの最初の方は、割ときちんと見たのだが、(リンゴをかじっているのをスクリーン・ショットしたのも、統計力学の講義。りんごだけでなく、ビスケットやスナックを、よく食べていた)、50年前のファインマンや朝永の教科書と比べると、構成は、はるかにモダンである。何よりも、「情報」の概念が、理論展開の大きな柱になっていることは、僕には、とても新鮮だった。

統計力学では、エントロピーの定義から、ラグランジェの未定乗数法を使って、Partition Function Zを導き、熱力学の基本式を導出する。とてもエレガントだ。Wikipedia https://goo.gl/i4MDQF  の"Derivation of canonical partition function (classical, discrete)"の項目に、同じ手順が紹介されている。知らなかった。

統計力学の講義では、その後、Ising Model の話に移る。そうなんだ。今は、統計力学、そういう展開するのか。知らなかった。Ising Modelはアニーリング型の量子コンピュータの基本的なモデルでもある。

彼は、Ising Model を「イジング・モデル」ではなく「アイシング・モデル」と発音していた。そういえば、彼の名前、僕は「サスキンド」だと思っていたが、「サスカインド」と日本語の文献では紹介されている。どっちなんだろう? 

Susskind は、僕の好きな一群の科学者 Lee Smolin, John Baez, Scott Aaronson と言った人たちの「論争」相手でもある。そのことは、別の機会に紹介したいと思っている。そうした僕の「好み」は変わらないのだが、今回、彼の講義を聞いて、また、膨大な講義を公開している彼の熱意を知って、彼を見直した。立派な人だと思う。

「嘘のニュース」「本当のニュース」があって、「本当は、どっちかわからない」という人が、ひょっとしたら多数なのかもしれない中、数学や物理の「科学的認識」の果たす役割は、重要だと思う。



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